久保:現在、僕は弊社(バンダイビジュアル)でのガンダムの窓口というか総轄的な立場をさせて頂いています。ガンダム担当に就任したのが97年ですから、もう8年になりますね。それまでの担当者はどちらかというと作品単位で代わってましたから、僕は弊社でも最長最多のガンダム担当者ということになってしまいました。
今回の『MS IGLOO』に関しては、松戸のバンダイミュージアムのオープン以前から、ミュージアム関係者の間で1周年記念を目指してミュージアムならではのオリジナル映像を提供したいという思惑があったんだそうです。ただ、せっかくの映像作品なんだから、上映しっぱなしではなくDVDなどのビデオグラムも視野に入れたいということで、我々に声がかかり、プロジェクトに参加させて頂くことになりました。
実際、ガンダムの映像作品を生み出す=作るということはスタッフ共々大変な労力が必要なんですよ。今でこそ笑い話ですが、当初ミュージアム側は90分から2時間ぐらいの長編を希望していて、「そんなのできっこない!」と。やはり「ガンダム」と名の付く作品はサンライズにとっても特別だし、SFアニメのパイオニアでなくてはならない。それが簡単にクリアになるんだったら、毎年映画とかOVAをジャンジャン展開してますよね(笑)。そこで「30分くらいの中編映像を5〜6本、トータルで2時間強ぐらいのボリュームにしましょう」と。
逆に全編フル3DCGという映像の制作体制に関しては、作品の方向性として早い段階から決まっていたと記憶しています。
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