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Interview

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打ち上げレポート



Taja氏
 『MS IGLOO』インタビュー第8回となる今回は、主題歌である『時空のたもと』を歌うユニット・Tajaのボーカルである菜穂さんに話を伺った。作詞、作曲、そしてボーカルと、ひとり三役をこなす彼女は、アーティストという視点から『MS IGLOO』どのように感じたのか。そしてこの曲に込めた想いとは!? 主題歌誕生の経緯を中心に話を伺っていこう。

「時空のたもと」完成秘録!?
“コロニー落トシヲイメージセヨ!”

――『機動戦士ガンダム』の外伝的な作品の主題歌ということで、曲を作るにあたってどんな説明があったんですか?
菜穂:最初の説明では、「ガンダムが登場する前の話」で戦争が本格化する頃の人間模様の話だということを伺いました。さらに、細かい設定を聞いて、さらに脚本も読ませていただいて。その結果『MS IGLOO』は、劇中のセリフなんかは専門的なガンダム用語なんかがたくさん出てきますが、物語の大元は、切なく感じさせながら、芯の通ったイメージを持つ作品だと思ったんです。そうした、自分の頭の中で広がったイメージの部分から膨らませて曲を書きました。そのせいか、ほとんど悩まずに書けたという感じですね。今回の作品では、敵であるジオン軍のほうがメインなので、どちらかと言えば本来影である部分に光が当たっている雰囲気が、私としては好きなポジショニングで、「影の部分に光を当てる」というのは、私の曲作りのやりかたにも合ったので、本当に自然に作らせていただきました。

――もともと『機動戦士ガンダム』という作品は、どれくらい知ってらっしゃったんですか?
菜穂:作品の名前はもちろん、仕事として受ける前から劇場版をビデオで見たりもしていたので、ザクやグフというモビルスーツの名前も知っていました。ただ、子供の頃に見ていたので、敵味方の構図なんかは、ほとんど理解していなかったですね。今回、この主題歌を担当させていただくにあたって、もう一回そうして記憶を紐解いて、男の子の友人にいろいろ話を聞いたり、ビデオを見直したりして、イメージを膨らませる作業をしました。見直してみると、すごく新鮮で、今の年齢になって初めてセリフの意味や感情の動き、人間模様なども今になってこそ判る感じで。そんな風に、今になって触れた部分も今回の曲作りの影響も大きいですね。

――詩の内容ですが、どのようなことを伝えるようと考えて書かれたのですか?
菜穂:私自身は、あまり恋愛をモチーフにした詩を書けないらしくて……。例えばこの曲から感じるイメージが、愛の中身や恋愛の感情のようだととってもらってもいいんですが、自分の中では男女の関係を越えた、友情も愛情も含めた人間同士のつながりを書いているんです。この歌詞を書くにあたって、「コロニー落とし」という言葉をイメージしてほしいという話もあったんですが、最初はその意味が判らなくて。そこで、ガンダムファンの友人に「コロニー落とし」の意味を教えてもらって。宇宙空間にコロニーがあって、そこに人が住んでいるんだけど、それを武器にして地球に落とすという説明を聞いた時、情景が頭に絵として浮かんだんです。その情景の先には、ジオン軍も連邦軍も本来は一緒だったはずの光の根元があって、それが現在まで広がって、戦争になっていくんだと。『時空のたもと』という曲名になっていて、それはもちろん宇宙をイメージしているんですが、宇宙だけでなく現在の地球上で起こっていることも含んでいます。それは、今のイラクの情勢とかも踏まえて、もともとひとつだったところから、争いにつながっているという意味も感じ取ってほしいですね。「時空」の“空”は、宇宙だけでなく、地球の歴史みたいなものももっと遡るという意味も含めていますので。

――「コロニー落とし」以外にも、入れて欲しいというキーワードはありましたか?
菜穂:ジオンの旗を入れて欲しいというのもありました。ただ、そのままというわけにはいかないので、色のイメージから「赤いしるし」という言葉にしてあります。赤という色は、血の色だったり、食べ物の色だったりと脈打つ感じがするんですよね。“旗”と言ってしまうと、まさにジオンの旗をイメージされてしまうと思ったので、“しるし”とすると脈打つイメージ、今、ここから始まるということと重なって、赤い旗と赤いしるしを掛け合わせた感じですね。


観客も泣いた!Tajaも泣いた!?
“ヅダ”と“ウタ”のアンサンブル

――ご自分が主題歌を担当した作品を見られてどう思われましたか?
菜穂:第3話の劇中で、『時空のたもと』が使われるシーンがあるんですが、あの絵は、まさに私がイメージしていた情景に近くて、見ながら鳥肌が立って、泣きそうになりましたね。「もう、イメージにぴったり!」と思ったし、自分の曲ながら「いい曲だな〜」と感じたりしました(笑)。とにかく、それがすごく良かったです。それから、やっぱりモビルスーツがかっこいいですね。とにかく、第3話でのヅダの出撃シーンの作り込みがすごくて、戦うシーンもすごくいい。戦いのためにモビルスーツに乗る人間の心意気が伝わるところが良かったです。見終わった後に、男の友達に電話して「ザクのプラモデルが欲しいんだけどどこに売っているの?」って聞いちゃったくらいです(笑)。

――映像を見て、そうした気持ちが高まってしまった感じですか?
菜穂:モビルスーツの映像がとにかく印象に残って。テレビアニメとは違って、CGのほうが存在感があって、リアルだからですかね。アニメでは表現できない、動きや描き込みが本当にすごくて。個人的には、連邦軍のモビルスーツよりもジオン軍のひとつ目のほうが好きですね。多分、主題歌を歌ったから思い入れが強くなっているんだと思うんですけど(笑)。ヅダのプラモデルもぜひ出して欲しいです。

――今度発売されるサウンドトラックでは、『時空のたもと』のフルバージョンが収録されますが、劇場でかかっているものとは印象が違いますか?
菜穂:劇場用は、短いバージョンなのでサビで盛り上がる部分が1カ所しかないんですが、フルバージョンでは2番とラストの部分を含めて、3カ所盛り上がるんです。どんどん曲を盛り上げて、最後に叫ぶところがあるんですが、録音しているときに自分の気持ちもかなり高まって、本当に泣きながら録った感じですね。もちろん、歌詞もフルバージョンを聴けば、よりジオンをイメージしているのが判ると思います。ぜひそのあたりを聞いてみてほしいですね。

――今後のTajaの活動予定を教えてください。
菜穂:年内にセカンドアルバムを発売するべく準備しています。また、ライブを月に1度くらいの割合で都内を中心に行っているので、興味ある方はぜひ足を運んでほしいです。ライブのスケジュールや場所などは、ホームページにアップしますので、そこでチェックしてください。

――ライブでも、『時空のたもと』は歌われるんですか?
菜穂:ピアノのの弾き語りで歌います。曲を作った時は、映像はまだできてなくて、頭の中のイメージから広がったものですが、今は実際に映像を見た後なので、歌いながら映像が頭に浮かぶし、歌うごとに曲に対する思い入れが強くなっているように感じます。そういった部分では、今まで作った曲とはひと味ちがう、思い入れがある曲になりましたね。

ホームページアドレス:http://taja.kir.jp/


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