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スーパー・エキセントリック・シアター
スーパー・エキセントリック・シアター
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声優コメント

打ち上げレポート



スーパー・エキセントリック・シアター
 『MS IGLOO』スペシャル・インタビュー、今月は前回に引き続き、モーションキャプチャー・アクターを担当した「スーパー・エキセントリック・シアター」(以下SET)の俳優陣座談会・後編をお届けする。野崎数馬氏、長谷川紀子氏、田上ひろし氏、宮内大(ゆたか)氏の4人が展開するハイテンション・トークは、ご自身が動きを演じた本編の感想からキャラクターへの思い入れ、さらには物語の未来予想にまで大発展! 「なるほど!」から「そんなバカな!」まで、盛り沢山な内容とあいなった。果たしてその中身や如何に!?(本文中敬称略)

4者4様な「動き」の個性
キミは、見切ることができるか!?

――ではこのへんで、完成した作品についても伺いたいと思います。ご覧になっての率直なご感想は?
野崎:いやぁ、凄かったですよ!
長谷川:ねー!
野崎:もうね、「俺ってカッコいいんだぁ」って、思いましたもん!
宮内:いや、絵は違うから。数馬じゃないから!(笑)
田上:あのね、こんなこと言ったらガンダムファンの方に怒られるかもしれないんだけど。僕は今回のお仕事のまえに、参考用に最初の『ガンダム』を観せてもらったんですよ。で、やっぱり昔のアニメですから、正直「まあこれでも、昔は衝撃だったんだろうな」って、思ってたんですね。ところが完成した『IGLOO』をみせてもらったら、どっちがイイっていうんじゃないけど、映像的には桁違いじゃないですか! ほっぺたに映える光の具合とか、髪のなびき方とか。アレはホントに凄いよね。
宮内:そのぐらい技術が進歩してきてるんでしょうね。すでにアニメでも、口の動きをセリフと完全に合わせたりもしてるでしょ? そういう環境下で観ても「ここまで来てるんだ」っていう、映像的な衝撃は大きかったです。
――ご自分が演じた「動き」が映像になっているっていうのは、どんな気分です?
長谷川:それが、すごく不思議なんですよ。例えば私が観ると、私がやったキャディラック以外のキャラクターは「わぁ、ダイちゃん(※編注:宮内さんの愛称。正しくは「ゆたか」さんです)の動きだぁ!」って、わかるんです。

各テイクの直後には、センサーの感知範囲内で必ずこのポーズを記録。あとでセンサーの位置がズレていないか、チェックするためだ。
宮内:えぇ!?
野崎:わかるの?
長谷川:わかるよ! わかるんだけど、キャディラックだけは「いや、これはどう見ても私じゃない!」って(笑)。
宮内:あ、でも、それはあるかもしれない。
長谷川:だって、私以外の3人がキャディラックを見ると「うわー、まんまやー」って。「どう見ても私だ」って言ってたじゃない。
――そう言えば、スタッフからも「やっぱりワシヤの動きは宮内さんだよね!」っていう証言が上がってきてるんですけど。
長谷川:思いっきり、ダイちゃんの動きだもんね。
野崎:うん。あれはすぐわかるわ。
宮内:そう? いや、自分、結構ね……パターン少ないんですよ!(一同笑)
田上:まあ、いまだって3人腕組んでるけど、それぞれ組み方が微妙に違うでしょ? 右腕が上になる人もいれば、左が上の人もいるし。そういう癖が、自然に出るんでしょうね。
野崎:それに、我々はもう15年ぐらいの付き合いになりますから。そりゃあ見ればすぐわかろうってモンですよ。
――じゃあひょっとして、この先『IGLOO』のような作品が増えていけば、ファンのなかにも見破る人が現れるかもしれないですね。「あの動きはキャデやってる人じゃね?」とか。
野崎:いや、それが実際、先輩のファンクラブの人が見て、マジで見抜いたらしいですよ。「あれは○○さんでしょ?」って。
宮内:「長谷川さんだぁ!」とか? それはマニアックだなぁ(笑)
長谷川:すごい! 声優さんみたいですね。じゃあ私、それ目指します!
野崎:おい! どこ行こうとしてんだよ!(一同爆笑)

魂の叫びが焼きついた
フィルムの醸すイメージ

田上:あと、リハーサルで苦労したシーンとかは、あとで観ると「そうそうそう!」って思うよね。「こうなるのか!」と。
長谷川:テイク6とかまで撮ってたシーンは、「あーあーあー!」って、確かに思います。
田上:その意味ではさ、砲術長の死に様が壮絶だったよねぇ。
長谷川:そう! かわいそうだった……。
田上:現場で聞いてると、うるさいだけなんだけど(笑)。
野崎:本番の撮影はカットごとに、一人とか二人ずつが多いんで、僕らは砲術長が死ぬトコの芝居を見てないんでね。控え室にいて声だけが聞こえてくると「うるさいなぁ」って。
宮内:いや、まあその、華々しく散るためには、大声も必要なわけですよ!(笑)
野崎:で、その直後にはもう笑ってるの。「あ、ここはワシヤのシーンね」とか。
田上:あと面白いのは、やっぱり実際の自分と顔も声も違うこと。だって、現実の僕の顔見てどう思われます? こんな眉毛の下がったさぁ、どう見ても大きな船持って、戦争に行くような顔じゃないでしょ? だから「果たしてそんな風にできるのかな?」と思ってたら、それはまあ、そういうCGを張ってるからなんでしょうけど……イイ!(笑)
長谷川:だから、観てる人は実際の私たちを知らないほうがイイですよね!(一同爆笑)観たらゼッタイ、「なんだよー!」って、なると思うし。
野崎:まあ、僕以外は隠したほうがイイな。
長谷川:いやいやいやいや! 動物だから! 顔が!(笑)
――キャラクターへの愛着も、ずいぶん沸いてらっしゃるのでは? まあ、宮内さんは毎回キャラが違いますけど。
宮内:いや、僕にもワシヤと副長と本部長っていう、固定キャラがいますから。
野崎:3人も? いいなぁ(笑)。
宮内:でも確かに、物語がヨーツンヘイムのなかでの流れを追ってますから、戦いを重ねてるうちに、僕もキャラクターも成ってる部分はあると思います。それは「成長させよう」っていうより、物語の流れにシンクロして、こちらも自然に成長してるっていうか。
田上:僕は1話の完成品を見せて頂いて、感じる部分がありました。最初はね、モーションキャプチャー自体がはじめてだったこともあって、台本読んでコンテ見て「こういう動きかなぁ」と自分なりに考えて、それでも「これでうまく出来てるのかな」とか「艦長の本質を掴めてるかな?」っていう不安があったんです。ところが実際に映像をみてみると、毎回「コレちょっと感動的だなぁ!」っていうストーリーじゃないですか!(笑)その出来上がりに引っ張られて「ああ、コレなのか!」って、すっと気持ちが「向こう側」に行ったようなところがありますね。
野崎:僕も最初の頃は、ほとんど手探りでした。設定画も見てましたけど、それはまあ「俺に似てるかな」ぐらいで。
長谷川:えぇ?
宮内:なんかさ、さっきからそこばっか強調するよね?(笑)
野崎:ゴメン。ホントはぜんぜん僕よりカッコよかったんで(笑)、「コレは俺は台詞で起こしていくしかないな」と。でも、出来上がった映像を実際に観てからは、イメージがどんどん膨らんで行きましたね。

なんとキャディラックがあの人と!?
SET俳優陣の大胆結末予想

"楮
――セリフって意味では、キャディラック嬢はかなり飛ばしてましたよね?
長谷川:そうですね。ものすごくキツいし、最初から艦長さんに食ってかかって。普段の私はぜんぜんそんなコトないのに。
宮内:……「焼肉おごれー!」とか、言うやん!(笑)
長谷川:でも、2話3話までくると、船にもいろんな人が乗ってきますからね。いつかは艦長さんとも、仲良くなれるんじゃないかな? どうなんでしょう、ならないんですかね?
田上:いやぁ、だって状況的にはさ、どんどん終戦に向けて突き進んでるんだよ? もしかしたら仲良くなるまえに……。
野崎:結婚しちゃったりして?(一同爆笑)
田上:おじいさんと孫みたいな歳の差だってば!
長谷川:いやいやいや、それはわかんないじゃないですか。
宮内:でも、もう終戦まで4ヶ月ないんだよ?
長谷川:じゃあもう、とにかく急いで!
宮内:なにを急ぐんだよ!(笑)イミわかんないって。
――……ということは、皆さんも先の話については、まったく?
宮内:ぜんっぜん知りません!
田上:誰も知らないよね?
野崎:まあ、艦長とキャディラックが結婚するのは確実ですけど(笑)。あと僕は内心、続きがあればマイは死ぬんじゃないかと思ってるんですよ。
宮内:いや、死ぬのは俺の役じゃない?
野崎:そこはそれ、ヒーローは死なないと伝説にならないからさ。
宮内:そうかなぁ……死ぬのかなぁ。
――聞いた話では、2話以降は皆さん「次は俺が死ぬんじゃないか?」って、ビクビクなさってたとか?
宮内:まあ、僕は毎回死んでますけど(笑)、みんなはね。
長谷川:3話でヅダに乗るって聞いたとき、もう死ぬのかと思いました。
宮内:「秘密兵器に乗ったら死ぬ!」みたいな?
長谷川:そうそう。「ヒロインだって聞いてたのに、もう死んじゃうんだ」って。無事に戻ってきましたけど。
宮内:やっぱさ、最後はあれじゃない? マイはコア・ファイターで脱出するんじゃない?(笑)むしろ僕的には、艦長がヤバイんじゃないかと!
田上:まあ、劇的に死ねれば本望だけどね。
長谷川:いやぁ、なんかキャデも逝きそうな気がするなぁ。せめてそのまえに、シャアに会いたいです! それが叶えば、私的には本望ですね。
野崎:あと、艦長と結婚することね(笑)。
――では、最後にファンの方へのメッセージをお願いします。
野崎:我々も魂込めて演じてますんで、どうぞ末永く、よろしくお願いします!
長谷川:物語の続きはどうなるのか、私もまだ知りませんが、これからも一緒に楽しめたらいいと思ってます。
田上:今回、CGアニメにはすごくたくさんの人の手がかかっていることを実感しました。その一員として、こんなにもグッとくる作品に関われたのは、大変光栄です。画面の向こうに、そんなスタッフ諸氏の努力があることを意識すれば、作品の厚みも一層増して見えると思いますから、まだの方もぜひご覧ください。
宮内:もし次があるなら、またジオン軍人として華々しく散ってみせたいと思います!(笑) よろしくお願いします。
田上:あっ! そう言えば俺、ジオンの軍人じゃないんだよね!?
長谷川:え?
田上:ボロ船を徴用されて巻き込まれただけだもん。そうか。じゃあきっと艦長は、ヨーツンヘイム号とともに戦争から離れて、また平和な仕事に戻っていくんだ!
野崎:いや、そうすれば生き残れると思ってるでしょ?
長谷川:って言うか、勝手に決めちゃったよ?(笑)
田上:だって戦争なんか関係ないもん!
宮内:いや、関係ないとはナニゴトですか。ジオン軍人として!(笑)
――皆さんのご活躍は、どうすれば見られますか?
野崎:現在、座長・三宅裕司や小倉久寛も出演する第43回SET本公演、『ニライカナイ錬金王伝説』を絶賛上演中です。近未来の沖縄を舞台に、入るだけで不老不死になるという温泉を巡って、小さな島にとんでもない騒動が巻き起こるというストーリーでお送りする、ミュージカル・アクション・ウチナンチュウ・コメディーなんですよ。
野崎:なんと今回は、沖縄つながりで、あのBIGINが音楽を担当しています!
宮内:もちろん中身は、SETならではのすごく面白い舞台になりますから、お誘い合わせのうえ、ぜひ起こしください! 会場は東京・池袋の東京芸術劇場・中ホール、上演期間は11月6日(日)までです。今後の公演予定は、SET公式HPをチェックしてみてください。
――本日はお忙しいなか、ありがとうございました!
田上・宮内・長谷川:ありがとうございました!
野崎:ガンダム、サイコー!(爆笑)

SET公式HPアドレス http://movie.nifty.com/set/


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